生活保護を受け始めてから、しばらくの間は、
回復しているという実感はほとんどありませんでした。
劇的に何かが変わったわけでもなく、
「これをやったから良くなった」と言えるような出来事もありません。
それでも、ある時期から、
ほんの少しずつ、感覚が変わっていったように思います。
この記事では、回復し始めたと感じた頃の記録を書いていきます。
回復途中で迎えた成人式
生活保護の受給が始まってしばらくして、年を越し、成人式の時期がやってきました。
役所からは、成人式の招待ハガキも届いていました。
ただ、地元でもない成人式に出る気にはなれず、欠席しました。
そもそもスーツ一式も持っておらず、行ったとしても場違いになるのは目に見えていましたし、
体調的にも、とても最後まで持たないと感じていました。
無理をすれば行けたのかもしれません。
けれど、当時の自分には、それを選ぶ余裕はありませんでした。
生活に少しだけ余裕が出てきた頃
生活保護の受給が3〜4か月ほど続くと、
節約は必要ではあるものの、ほんの少しだけ、生活に余裕が生まれてきました。
その頃から、
「このまま一生、生活保護で過ごすわけにはいかない」
という考えが、現実味を帯びて浮かぶようになりました。
以前の記事でも触れましたが、
当時の自分は、うつ状態の影響で、
人としての基本的な感覚が失われているように感じていました。
このままでは、人と会話する能力すら戻らないのではないか。
そんな焦りもありました。
テレビをつけても、感情がほとんど動かず、
ドラマなどはとても見ていられない状態でした。
感情を取り戻すためにやったこと
どうすればこの状態から抜け出せるのか、
正直、当時の自分には分かりませんでした。
ただ、何も情報がないままでは前に進めないと思い、
ノートパソコンを購入することにしました。
家電量販店で、エントリークラスのノートPCを
3〜4万円ほどで購入し、部屋にはインターネット回線を引きました。
そこから、何かしらのヒントを得られるのではないかと考えたからです。
まずは、感情を取り戻す必要があると思い、
子供の頃に見ていたアニメを見ることにしました。
小学生時代に見ていたアニメを中心に、
あまり深く考えずに観られるものを選びました。
そのくらいの刺激が、当時の自分にはちょうどよかったのです。
少しずつではありますが、
感情が戻ってきているような感覚がありました。
MMOゲームで「人とつながる」練習
しばらくすると、
インプットだけではリハビリにならないのではないかと思うようになりました。
そこで、当時流行り始めていたMMOゲームを始めることにしました。
三国志を舞台に、いずれかの国に所属し、
定期的に合戦が行われるようなゲームでした。
ギルドに所属し、協力してクエストを進めたり、
ただ雑談をしたりする。
そんな中で、あるギルドに誘われ、
慣れないタイピングで、何でもない会話を打っていく時間が、
不思議と楽しく感じられました。
時間はあるけれど、お金はない。
当時の自分にとって、その環境はちょうどよかったのだと思います。
誰かとつながっている、という安心感もありました。
ただ、四六時中ログインしていると不自然に思われるかもしれないと感じ、
ログインする時間帯は、ある程度決めていました。
少しずつ整っていった生活リズム
結果的に、それがよかったのかもしれません。
生活リズムが、自然と固定されていきました。
午後3〜4時ごろに起きて、
スーパーへ買い物に行き、
ゲームにログインし、
深夜2〜3時ごろにログアウトして眠る。
今思えば、決して健康的とは言えない生活ですが、
当時の自分にとっては、
「毎日同じ流れがある」こと自体が、大きな意味を持っていました。
直接人と会話することは、とても疲れてしまいましたが、
ネット上での会話は、比較的疲れにくかったように思います。
ギルドのメンバーが優しかっただけかもしれませんが、
その環境に救われていたのは確かです。
回復は知識だけでは進まなかった
その頃、インターネットで
うつ状態の回復方法や、飲んでいた抗うつ薬についても調べていました。
ただ、いくら知識を得ても、
それだけで回復につながることはありませんでした。
メンタルクリニックの先生にそのことを話すと、
回復期にはよくあることなので、
焦りにつながらないようにだけ注意するようにと言われました。
回復までは長丁場で、
治していくには覚悟が必要だ、とも。
当時の先生は、
今ではあまり考えられないような、
1回の診察に30分ほど時間をかけてくれる方でした。
その言葉を信じて、
時間をかけて回復していく覚悟が、ようやくできた気がします。
まとめ
生活保護を受けながら回復していった日々は、
決して分かりやすい成功体験ではありません。
けれど、
無理をせず、壊れずに済んだ時間だったと思っています。
回復は一直線ではなく、
進んでいる実感が持てない時期もあります。
もし今、止まっているように感じている人がいるなら、
その時間も、決して無駄ではないと、
この体験を通して伝えたいです。
生活保護を受け始めてから、ほとんど動けなかった時期の日常については、
前回の記事で詳しく書いています。
生活保護を申請するまでの経緯や、
当時の判断については、こちらの記事にまとめています。

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